株式投資

バリュー株とグロース株について

・バリュー株投資

バリュー株投資とは、企業本来の価値や現在の業績状況に対し、

現在の株価が割安だと推測される銘柄をバリュー株(割安株)と判断して投資を行う方法になります。

将来的に株価が上昇することを見込んで投資を行いますので、中長期投資に向いています。

バリュー株(割安株)について、明確に定められた基準等はありませんが、

判断材料として、株価指標のPER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)がよく用いられます。

一般的には、PERが15倍以下、PBRが1倍以下の場合に割安と言われていますが、

これは日本株全体で見た時の平均になりますので、実際に割安と判断するには、

業種別の平均値を見て判断した方がより精度の高い判断が出来ます。

・グロース株投資

グロース株投資とは、企業の利益率や売上げが高く、

今後も継続的に成長が見込まれる株グロース株(成長株)と判断して投資を行う方法になります。

新しい技術やサービス、革新的な商品の開発によって継続的に増収増益を

続けている企業が多く、中には数年で数倍~数十倍程株価が上昇する企業もありますので、

投資家からの人気が高い特徴があります。

また、バリュー株とは対照的に、グロース株はすでに付加価値として

利益や資産などの将来的な増大に対する投資家期待が株価に織り込まれておりますので、

PERとPBRが平均値よりも高い傾向にあります。

・それぞれの投資法のメリット・デメリット

ここからは、バリュー株投資とグロース株投資のメリットデメリットについてご説明します。

バリュー株投資のメリットとして挙げられるのは、

グロース株投資と違い、会社の価値が下がっているタイミングで投資を行いますので、

高値掴みのリスクを防ぐことができ、損失が限定されることです。

そのため、日々株価に振り回されることなく比較的安定した精神状態での投資を行うことが出来ます。

デメリットとしては、今の株価が本当に割安かどうかの判断が難しいということです。

一般的にPERやPBRなどの株価指標を用いて割安かどうかを判断することは出来ますが、

企業の業績が悪いことで数値が下がっている場合もありますので、

必ずしも現在の株価が「割安」とは限らないのです。バリュー株投資を行う際は、

しっかりとした 企業分析を行い、総合的に割安であるかどうか判断する必要があります。

もう一つは、利益が出るまでに時間がかかるということです。

割安になっているということは、現状人気がなく、流動性が低い可能性があります。

そのため将来的に株価上昇が見込める銘柄であっても、利益が出るまでに時間がかかりますので、

短期的な目線で投資を行う方は注意が必要です。

ただ、今回のコロナショックのように業績とは関係がなく、一過性の下落をした銘柄については、

比較的短期的に株価が回復することがありますので、

こういった場合は短期的な利益を見込むことが出来ます。

・グロース株投資のメリット・デメリット

グロース株投資のメリットとしては、比較的短期間で大きな利益が期待できることです。

例として、ECショップ作成サービスの事業展開で話題のBASE(4477)を見てみましょう。

・BASE(4477)

このようにわずか5ヵ月という短期間で約15,000円株価が上昇しております。

これは全てのグロース銘柄が同じように成長するということではありませんが、

短期的に大きなリターンを得ることができるのもグロース株投資を行う上での大きな魅力言えます。

デメリットとしては、配当金が少ないまたは無配当であるということです。

グロース株銘柄の特徴として、利益を成長のための設備投資等に回す企業が多いため、

インカムゲイン狙いの投資家にはあまり向かない銘柄が多くあります。

もう一つは、損失リスクが高いということです。

グロース株は、ボラティリティ(値動きの幅)が高い銘柄が多く、

短期間のうちに大きな損失を抱える可能性があります。

バリュー株投資と違って、常にチャートの状況を見ていなければ、

大きな損失を出してしまう可能性がありますので注意が必要です。

・バリュー指数とグロース指数について

バリュー株指数、グロース株指数とは、株価指数(TOPIXなど)の

構成銘柄をバリューグロースの視点で選定し、定められた算出要領に基づいて

算出された株価指数で、スタイル別株価指数と呼ばれます。

この指数が、上昇すると資金が流入している(買われている)

下落すると資金が流出している(売られている)といった見方をすることができますので、

現在のバリュー株とグロース株の資金の流動性を見ることが出来ます。

例えば、2021年3月のTOPIXのバリュー指数、グロース指数の動向を見てみましょう。

◎TOPIX  バリュー (3月1日~3月11日)

◎TOPIX  グロース (3月1日~3月11日)

バリュー指数の方は、3月2日から3月11日まで右肩上がりに上昇しているのに対し、

グロース指数は、3月1日から右肩下がりに下落しているため、

この間はグロース株からバリュー株に資金が流れているもしくは

他の金融資産等に資金が流れている状況であることが分かるかと思います。

このように株価の変動には、銘柄単体のファンダメンタルズ要素だけでなく、

バリュー株とグロース株の資金の流動性が起因して変動している可能性もありますので、

銘柄分析の際には、一つの指標として見ていくようにしましょう。

・まとめ

今回は、バリュー株投資とグロース株投資の特徴やメリット・デメリットについてご説明しました。

それぞれの投資法にメリットデメリットが存在しますので、ご自身の今後の投資スタイルに

合わせて取り組んでいただければと思います。

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引用サイト
①株価指数ヒストリカルグラフ -TOPIX バリュー- 日足チャート
(https://quote.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/hist_index&basequote=211&mode=D )

②株価指数ヒストリカルグラフ -TOPIX グロース- 日足チャート
(https://quote.jpx.co.jp/jpx/template/quote.cgi?F=tmp/hist_index&basequote=212&mode=D)

※投資は自己責任の為、当該投資における利益・損失における責任は全て本人の元にあるものとし、最終的な決定はご自身の判断(自己責任)でお願い致します。

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